長い歴史をもつオリンピックのロゴ(エンブレム)は、時代背景やトレンドに合わせて姿を変えてきました。
その変化を追うとともに、デザインの由来や理由、当時の反応も振り返ってみましょう。
パリ – 1924年 夏

参加国数は29から44に急増し、取材陣は1000人にも及んだというパリ大会。
オリンピックが広く受け入れられはじめたとともに、公式ロゴの採用がスタートしました。
レークプラシッド – 1932年 冬

アメリカのレークプラシッドで行われた冬季オリンピックのロゴです。
1930年代のアメリカン・アール・デコブームを思わせるような色使い。20世紀に作られた大量消費の家電・雑貨には、アメリカン・アール・デコの色やパターンが使われていたので、日本人にとっても懐かしみのあるようなデザインではないでしょうか。
ロサンゼルス – 1932年 夏

星条旗の模様が描かれた盾をモチーフにしたロゴ。
この年は、ロサンゼルス以外に立候補した都市がなかったので無投票で決まりました。
ガルミッシュ・パルテンキルヘン – 1936年 冬

ドイツ・バイエルン州のガルミッシュ・パルテンキルヘンで開催された冬季オリンピックのロゴ。ツークシュピッツェ山をメインにしたエンブレムです。
幾何学的・機械的なフォルムのタイポグラフィは、1930年代のバウハウス・ムーブメントを感じさせます。
ベルリン – 1936年 夏

ロゴはベルをモチーフにしたもの。昨年WIRED社(米)が行ったミルトン・グレイザー氏への取材では、「奇妙で焦点がない」という酷評を得ていました。
ヒトラーの政権下で開催されたベルリンオリンピック。プロパガンダの獲得を狙って開催準備を進めていましたが、ヒトラーが迫害したユダヤ人や諸外国が、開催権の返上やボイコットを行う動きを見せていました。そのような経緯もあって、オリンピックの開催前は一時的に人種差別政策を緩和していたようです。
